スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

日経平均株価、15年ぶり2万円台回復~15年前との共通点と相違点

◆ 「説明責任」に欠ける第2弾投信の設定

1人のOBとして納得がいく説明だと思えません。

「野村アセットマネジメントは5月中旬、資本効率の改善度に着目して銘柄を選ぶ日本株投資信託の第2弾を設定する。4月に設定した第1弾は相場の先高期待から個人マネーが殺到し、募集開始から3週間で販売を打ち切った。日経平均株価が一時2万円台を付けるなど株高が進む中、持続的な資金流入を見込む」(22日付日経電子版 「野村アセット、「企業価値」投信第2弾 5月設定」)

野村アセットは今月16日に募集開始から3週間で販売を打ち切った「日本企業価値向上ファンド」の第2弾を設定することになりました。

「運用資産が急拡大して保有株を増やすと、自らの売買で株価に影響を与えてしまい、機動的な銘柄の入れ替えなどがしにくくなる。「市場の流動性などを勘案し、運用規模を適正な範囲に維持する」(野村アセット)狙い」(16日付日経電子版17日付日本経済新聞 「投信、3週間で販売停止」)

野村アセットは第1弾の「日本企業価値向上ファンド」の販売を停止した際には、その理由としてこのように「市場の流動性などを勘案し、運用規模を適正な範囲に維持する」ためだと説明していました。

「市場の流動性などを勘案し、運用規模を適正な範囲に維持する」という理由で、「信託金の限度額」が5,000億円の投信の募集を2,000億円で打ち切ってから僅か1週間後に、「日経平均株価が一時2万円台を付けるなど株高が進む中、持続的な資金流入を見込む」という理由で1カ月後に第2弾を販売するという神経には驚かされるばかりです。

5月8日から募集を開始し、 5月18日から運用を始める第2弾のファンドの「投資方針」と「ポートフォリオの構築プロセス」は、募集を中止した第1弾と全く同じものです。しかも、第2弾は円投資型と米ドル投資型の2タイプがあり、両タイプ共に「信託金の限度額」は5,000億円に設定されていますので、約款上第1弾の2倍の1兆円規模まで資金を集めることが可能になっています。

販売3週間で2,000億円を集めた段階で「市場の流動性などを勘案し、運用規模を適正な範囲に維持する」という理由で販売を中止したファンドと同じ内容の商品を1ヶ月後に設定するというのであれば、運用会社は「市場の流動性などを勘案し、運用規模を適正な範囲に維持する」ことが出来るような環境が整ってきたことをきちんと説明するべきであるように思えてなりません。

こうした「説明責任」を果さずに第2弾の募集を始めるということは、「市場の流動性などを勘案し、運用規模を適正な範囲に維持する」ことが出来ない環境にあることを認識しながらファンドを設定するということになってしまうということに気付かないのでしょうか。

◆ 忘れ去られた15年前の教訓
「日経平均株価が一時2万円台を付けるなど株高が進む中、持続的な資金流入を見込む」(同日経電子版)

確かに、日経平均株価が15年ぶりに20,000円台に達したことで、投信の募集環境は好転して来ています。

そうした中で気に懸かることは、今回の野村アセットの動きは、15年前に日経平均株価が20,000円台を回復した時を髣髴とさせるものだというところです。15年前の2000年に日経平均株価が20,000円台を回復する原動力の一つとなったのが、野村證券100周年記念ということで2000年2月にスタートした「ノムラ日本株戦略ファンド」、通称「1兆円ファンド」でした。それから15年。華々しく登場した「1兆円ファンド」のあしもとの純資産は1,053億円でしかありません。

資産規模が1兆円であったとしても、株式を買いポートフォリオを構築することは難しいことではありません。市場には「買う際の流動性」は存在するものです。運用上重要なのは「買う際の流動性」ではなく、「売る際の流動性」です。「1兆円ファンド」が失敗したのは、「1兆円株を買える」ということと「1兆円の運用をする」ということの違いを認識していなかったからです。

15年前に設定した「1兆円ファンド」で「1兆円株を買える」」ことと「1兆円の運用をする」ということの違いを痛感したはずの野村アセットが、「市場の流動性などを勘案し、運用規模を適正な範囲に維持する」ためとして販売を中止したファンドを、僅か1か月後に「日経平均株価が一時2万円台を付けるなど株高が進む中、持続的な資金流入を見込む」という理由で第2弾を設定するというのは、過去の失敗から何も学んでいない可能性を感じさせるものです。

◆ 年金日本株比率引上げの中で起きた投信ブーム
15年前の2000年に日経平均株価が20,000円台を回復した時と現在の状況には共通点があります。それは、年金運用における日本株の資産配分比率が引上げられるなかで、野村アセットを中心に投信ブームが起きたところです。

「日本版ビックバン」といわれる金融制度改革の一環として、1997年に厚生年金基金における資産運用規制「5.3.3.2 規制((安全資産5割以上、 株式3割以下、 外貨建資産3割以下、 不動産2割以下)が撤廃されました。その結果、1996年度には15.7%であった厚生年金基金の日本株への投資比率は、1999年度には36.5%まで引上げられました。

「1兆円ファンド」はこのように年金運用における日本株の資産配分比率が引上げられ、日経平均株価が20,000円を回復するという環境の中で設定されました。

こうした15年前の状況は、GPIFの基本ポートフォリオが見直され、日本株の資産配分比率が25%まで引上げられるなかで日経平均株価が20,000円を回復する中で、野村アセットが3週間で販売停止をするほど個人マネーが投信に向かうという現在の状況とダブるものです。

「前回2万円を超えた2000年4月との比較では『ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が大きく異なり、今回は実体を反映したマーケットだ』と指摘。『企業業績見通しから見ても、決してバブル的な状況ではない』と強調した」(22日付日経電子版 「大和の日比野社長、株価2万円台『実体を反映、中期的に通過点』」)

15年ぶりに日経平均株価が20,000円の大台を回復したことについて、このような強気のコメントが多くなってきていますが、果たしてその通りになるのでしょうか。企業業績見通してから見て株価がバブル的状況にないことが、投信設定がバブル的状況にならないことの根拠にはなりません。

15年前と比べて確実に明るい材料は、2000年4月の30銘柄が入れ替えといった日経平均採用銘柄の大幅な変更が今回はないということです。これによって15年前に起きたような裁定解消売りが誘発されることはない分、市場が調整するにしても2000年のような大きな下落に見舞われる可能性が高くないことは確かですから。
http://blogos.com/article/110797/
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

鉄パン

Author:鉄パン
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。