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コラム:企業業績失速でも米株は最高値圏の不思議


James Saft

[23日 ロイター] - 米国企業の決算が相次いで増益を記録し、主要株価指数が最高値を更新しているが、2つの小さな問題が残る。売上高が横ばいで、増益予想の勢いも衰えている点だ。

23日の株式市場では、ハイテク株の比重が大きいナスダック総合指数(NDAQ.O: 株価, 企業情報, レポート)が5056と終値で2000年3月以来の史上最高値を更新。S&P総合500種指数.SPXも一時、先月つけた過去最高値を上回り、記録更新まであと5ポイントに迫る約2113で引けた。両指数は、ドル高やエネルギー業種の不振などの逆風にもかかわらず、連日発表される企業の第1・四半期決算により押し上げられている。

ザックスのデータによると、S&P総合500種指数構成企業の約40%が発表を終えた23日午前時点で、増益率は前年同期比で9.1%だ。しかし、増収率はゼロ%だ。それでも全体の3分の2以上の企業の決算結果は市場予想を上回っている。

どうしてなのか。結局のところ、利益は売上高から得られるものであり、もちろん効率性が高ければ利益は増えるが、それにも限度というものがあろう。

むろん、答えは自社株買いだ。米国企業は自社株を買いまくっており、規模は昨年だけで5530億ドルに上る。今年も余裕で記録を更新する勢いだ。ソシエテ・ジェネラルの分析によると、全体の企業業績(1株利益)の伸び率は自社株買い要因だけで2.3%ポイント押し上げられているという。

実際に会計士として、言い換えれば米一般会計原則(GAAP)に基づき企業決算を見ると、米企業は実際には減益でほぼ2010年当時の水準に逆戻りする。

企業業績の基礎になるプロフォーマベースの決算では、企業は償却や一時的な項目を「見逃す」ことができる。それが金融工学というものであり、多くの自社株買いは幹部社員に支給する株式を埋め合わせるのに必要なものであることを忘れてはならない。

ソシエテ・ジェネラルのクォンツアナリストであるアンドリュー・ラプソーン氏は顧客向けのノートで「投資家にとっての唯一の関心事が量的緩和策(QE)であるかのように思える今の時代に、実際の利益ばかりを議論するのは少し古いやり方だ」と指摘する。

ラプソーン氏はまた、「このようにQEに触発された現在の上昇相場は、基調的な企業のファンダメンタルズの弱さをはじめとする他の多くの測定基準を無視できるような、便利な理由を提供してくれる」とも述べている。

<失速する企業業績>

エネルギー価格とドル高の影響が一つの役割を果たす中で、上方修正の割合で示される米国企業の業績モメンタムは低下している。過去3カ月間に来年の業績予想は5%ポイント下方修正された。しかも問題は単にエネルギーだけではなく、そこには真の修羅場が待ち受けている。ソシエテ・ジェネラルによれば、消費者向け耐久財や衣料品、消費者サービス業の来年の業績見通しはいずれも過去1カ月間だけで6%以上も下方修正された。

グローバルでみた企業業績の全体像はやはりモメンタムの低下であり、為替変動などの要素を考慮しても、米国とあまりかけ離れたものではない。2015年通期の世界の企業利益の見通しは為替変動の影響を考慮しないベースで今年これまでに5.3%下方修正され、エネルギーと金融を除く業種でも3.5%引き下げられている。金融業を除く今年のグローバルな企業の増益率はわずか1%と予想されおり、このモメンタムが持続するなら、これらの企業はいずれ昨年を下回る業績を発表するようになるだろう。

ここで再び最初の質問に戻る。利益の脆弱さが垣間見え、少なくとも米国において売上高が横ばいなら、どうやって株価は上昇し続けるのだろうか。

ラプソーン氏は「天候要因が剥落した後の景気や企業データが依然として市場予想を下回る結果になれば、強気のコンセンサスを維持するために何か新しい言い訳が必要になる」と指摘する。

この事態を何とかして食い止めるには、投資家たちによる循環論法が必要になる。低金利によって、自社株買いに充てる資金を調達するための借り入れのコストが低下する。また低金利の環境下では、特に日本と欧州で進められているQEを踏まえると、わらにもすがる思いでわずかな利回りを追い求める投資家たちにとっては、株式の魅力は高まるのだ。もし経済が減速すれば、米連邦準備理事会(FRB)は金利を低水準に据え置き、QEの導入を再検討する可能性さえ生じ、これが株式を下支えする、と投資家たちは信じている。仮に経済が小休止した第1・四半期の状況から本当に回復するなら、最終的に企業の売上高も上昇に向かうはずだ。さらに望ましいことに、企業の低調な投資は、異例の高水準で推移している利益率を維持する一助にもなるだろう。

その中間で景気が停滞すれば企業業績の伸びも止まり、非常に不愉快な状況になるかもしれない。

むろん、次の新たなQEが企業から直接、財やサービスを購入するのであれば話は別だ。そうなれば当然、売上高は拡大するのだが。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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