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原油急反転で狂う「金融緩和シナリオ」

世界的株安・債券安の裏にあるもの

ロイター

2015年05月07日
[東京 7日 ロイター] - 世界的な株安・債券安の背景には原油価格の急反転があるとみられている。物価上昇への警戒感が強まり、世界的な金融緩和シナリオに狂いが生じているためだ。米国などの経済指標は依然さえなく、緩和環境は継続するとの見方もあるが、ここにきてにわかに濃くなってきた先行き不透明感が海外勢などに緩和マネーの巻き戻しを急がせているという。

1カ月半で約5割のリバウンド

原油価格が急速に切り返している。米原油先物は6日の市場で一時1バレル62.58ドルまで上昇。昨年6月20日の107.73ドルからすれば、まだ6割弱の水準だが、今年3月18日に付けた6年ぶりの安値42.03ドルに対して、1カ月半の間に5割近いリバウンドとなっている。

足元で進む世界的な株安・債券安は、この原油価格の上昇が大きな要因だ。ヘッジファンドなど海外勢は、物価が上昇しないことを前提に、各国中央銀行による緩和環境の継続、もしくは追加緩和などを想定。「株買い・債券買いのポジションを組み上げていた」(大手証券トレーダー)とみられている。

海外勢はこうしたポジションを巻き戻しにかかっているとされ、連休明けの東京市場でも世界的な株安・債券安(金利上昇)が波及。日経平均<.N225>は約1カ月ぶりとなる1万9200円台半ばまで下落した。10年長期金利も一時0.435%と2カ月ぶりの水準に上昇。「海外のマクロ系ファンドなどから売りが持ち込まれている」(外資系証券の株式トレーダー)という。

「原油価格の上昇ピッチは、日銀が想定しているイメージよりも相当速いスピードではないか。また各国中銀がどう受け止めるかはともかく、市場では追加金融緩和などの期待は後退しやすい。株式や債券は歴史的高値を付けていただけに、しばらくは世界的な調整が続きそうだ」とSMBC日興証券シニアマーケットエコノミストの嶋津洋樹氏はみる。
実際、原油価格上昇による影響は物価にじわりと広がり始めている。日本の3月コア消費者物価指数(CPI、生鮮食品除く)は消費増税の影響を除いて前年比0.2%上昇。前年比横ばいだった2月に対し、ガソリンや灯油の上昇の影響でプラス幅が拡大した。

日本以外の国でも消費者物価が上昇

欧州金利上昇のきっかけは前月29日に発表されたドイツの4月CPIが、EU基準で前年比0.3%上昇と2カ月連続のプラスとなり、上昇率は予想の0.2%を上回ったことだった。米国の3月CPIもガソリンや家賃・宿泊費などに物価上昇の兆しが出始めている。

こうした物価の動きに対し、市場では世界的な金融緩和競争に一巡感が出始めているとの見方も増え始めてきている。

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は5日、政策金利を過去最低の2.0%に引き下げた。豪ドルはいったん下落したものの、緩和サイクルが終了したのではないかとの思惑からすぐに上昇に転じた。声明で景気の一部改善に言及したうえで、一段の措置が必要になる可能性があるとの文言が削られたことなどから、市場では政策金利が2%を割り込むとの見方は後退した。

もっとも、米国や中国など世界景気は依然弱く、物価は上がったといっても日米欧中銀の目標である2%には程遠い水準だ。原油価格上昇で消費が圧迫されれば、緩和環境は継続されるとの見方も強まりやすい。原油価格の下落が功罪両方あったように、原油価格の上昇にもプラスマイナス両面がある。物価や景気への影響は読みにくい。

三菱東京UFJ銀行シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は、先行きの不透明感が強まってきたこと自体が、投資家のポジションを巻き戻させる要因になっていると指摘する。「原油価格に対するサウジアラビアの態度が変わったのかという根本的なところがまだ見えない。現在の調整はあくまで先行き不透明感に対してのものだ」との見方を示している。

今後、「緩和シナリオ」の本格修正を余儀なくされるかどうかは、原油価格の動向にかかってきそうだ。米原油先物の昨年6月高値の107ドルから今年3月安値の42ドルまでの下落幅は65ドル。半値戻しであれば74.5ドルがめどとなる。

ばんせい投信投資顧問・商品運用部ファンドマネージャーの山岡浩孝氏は「米原油在庫がピークを打ったとはいえ、5年ぶりの高水準であり、供給面での価格圧迫要因は消えていない。さらに景気の弱さからみて需要面でも原油がどんどん上昇していくとは考えにくい」と話す。

ただ、需給要因だけで下落した相場ではないだけに、半値戻しの水準を超えてくれば、テクニカル的にも本格的な上昇局面に入る。グローバル緩和相場にとっても、1つの分岐点になりそうだ。
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